2012年9月7日金曜日

PMシンポジウム2012参戦レポ(1日目)

9月6日、PMシンポジウム2012(1日目)に行ってまいりました。
参加したセッションについてPostしておきます。
内容を詳細に書くのはとりあえず控えておいて、要点と感想を簡単に。
午前1 基調講演Ⅰ 希望のチカラ
東大 玄田教授
希望とは何か? というお話。
夢と希望は似て非なるもの、夢は無意識に見るが、希望は意識して胸に抱くもの。
Hope is a Wish for Something to Come True by Action. 希望とは、行動によって現実化する何かである。(玄田先生が著書「希望のつくり方」に記した言葉ですね)
希望を持つにはどうすればよいか。
希望は人から与えられるものではない。
最近「絆」という言葉がクローズアップされている。絆には「強い絆(家族や身近な人)」と「弱い絆(日頃それほど交流がない人)」があり、これからの時代で重視されるのは「弱い絆」のほう。弱い絆は、自分とは異なる経験を積んだり、異なる価値観を持っていたりする人々であり、それらの人々との交流にこそ希望の源が眠っている。
先生のお話が非常に上手で、グイグイと引きこまれてしまった。

午前2 基調講演Ⅱ スーパーコンピュータ「京」
富士通 追永氏
京の性能、設計、アーキテクチャについて、結構ディープな話。個人的には興味のある分野なので貴重な内容が聞けたと思っているが、半分ぐらいしか理解できなかった。他業種の人や開発系の人には厳しい内容だったのでは(^ω^;)

午後1 一流のプロマネたるもの、かくあるべし
富士通 柴田氏
ProjectWEB開発に携わった柴田氏による、PMを支援するための富士通の取り組みの紹介。
人材育成には時間がかかるので、プロマネを支える運営基盤づくりが大切、という趣旨。ツールを用意するだけではダメ、などなど。
富士通内部での取り組みの紹介だったので、もう少し一般化した話だとうれしかった。

午後2 ベーコンエッグを食べながら考えたリーダーシップ
フェイスホールディングス 小倉氏
「部下やメンバーとの接し方」がテーマ。
部下は上司の鏡、部下のレベルが上司のレベルである。「部下が無能だ」と愚痴る上司は多いが、実は自分が上司として無能なのである。
人を動かすためのリーダーシップの3原則「相手を大切に」「自分を指差す」「誠実であること」。
ビジネス書でよく出てくる3要素"WANT","CAN","MUST"のうち、MUSTを部下に伝えるのは簡単。上司は、部下のWANTとCANを伸ばすことに力を注げ。
「由らしむべし知らしむべからず」「修己治人」など、論語の引用が多かった。
カーネギーの「人を動かす」に近い内容だったかな。

午後3 クラウド環境で必要な契約交渉スキル
ピーエム・コンセプツ 長尾氏
ベンダー視点で、クラウドビジネスにおいて顧客と契約する上での注意点やプロセスを紹介。かなり営業寄りの内容。

午後4 宇宙のリスクマネジメント
JAXA 長谷川氏、中村氏
ISSの実験棟「きぼう」を実例に挙げて、宇宙船の安全設計についての紹介。
宇宙ではリスクの顕在化が即人命にかかわるため、設計段階で全てのハザードを洗い出し、安全対策を施さなければならない、と。うんうん。
リスク分析手法は、過去の経験に基づくリスクのリスト、FTA、FMEAなど、我々が一般的に使うものも見られた、"フラクチャコントロール"とかの耳慣れない言葉も。
そして、リスク分析の網羅性と、それに対する対策の万全さが、ITプロジェクトとは段違いにハイレベル。安全設計には故障許容設計とリスク最小化設計があり、カタストロフィックな(人命にかかわるような)ハザードに対しては2故障許容設計(2箇所の同時故障まで許容する設計)にする、と。これはすごい。IT業界で冗長化を設計する時は、大抵、多重障害は考慮対象外にしちまうからな。
宇宙ならではの話も聞けて面白かった。「無重力空間では空気の熱対流が起きないため、火災が起きた時は、空気の循環を止めれば鎮火する」とか、「無重力でガラスが割れると、破片が下に落ちないので回収不可能」とか…。考えてみるとその通りなんだけど、我々は普段そんなこと考えもしないわけで、科学少年にはたまらない内容。本日参加したセッションの中では一番面白かった。

以上レポっす。
2日目も参加しますよー。

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