里山資本主義とは、お金の循環が全てを決すると言う前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうというもの。
例として中国山地やオーストリアにおける木質バイオマスエネルギーをはじめとする木材資源の再活用の取り組みや、脱サラして瀬戸内海でジャム屋さんを開いた人の事例が紹介されている。
これらの事例に共通しているのは、グローバル化した経済とは別次元の小規模な地域の中で、その地方に住む人たちが活き活きと暮らしながら、地域内で経済を回している姿である。
そこから、本書は意外にも「日本経済は意外と大丈夫」という結論に至る。
戦後の日本人が享受してきた経済的な反映は失われていないし、里山資本主義的な要素を取り入れていけば生活にも困らない、と。
いわく、里山資本主義は保険として安心を買う別原理であり、バイオマスエネルギーや地産地消の農作物などにより、お金が機能しなくなっても水と食料と燃料を手に入れ続けるためのバックアップシステムである、と。
所感を書けるほど本書を読み込んでいないので、読書感想文は気が向いたら別途書き起こすこととする。
最後に弁証法についてメモ(本書はマネー資本主義へのアンチテーゼである)。
弁証法
「テーゼ(定義)=1つの意見」と「アンチテーゼ(反対の定義)」の2つの意見から、新たな高次元な見識「ジンテーゼ(総合)=1つの結論」を生みだすことを「アウフヘーベン(止揚)」と呼ぶ。
「テーゼ(定義)=1つの意見」と「アンチテーゼ(反対の定義)」の2つの意見から、新たな高次元な見識「ジンテーゼ(総合)=1つの結論」を生みだすことを「アウフヘーベン(止揚)」と呼ぶ。