2011年7月17日日曜日

PMI日本フォーラム参加レポ その2

1日目レポの続き。
1日目 4コマ目
PMI日本支部 ポートフォリオ・プログラムマネジメント研究会
「日本の「プロジェクト・ポートフォリオ」を問う!」


パネルディスカッション形式で、現在の日本企業におけるPortFolio Management(PFM)の実態を語る。PFMの役目は、組織戦略と個々のプロジェクトの整合性を取ることと、各プロジェクトの実態を把握すること、という結論。PFMが行われていないと、重点プロジェクトのはずなのに会社からリソース(人、金、…)が十分に割り当てられなかったりする。うちの会社はまさにこの状態だな…。
1日目 5コマ目
PMI日本支部 ポートフォリオ・プログラムマネジメント研究会
「日本の「プログラムマネジメント」を問う!」


4コマ目と同じくパネルディスカッション形式で、4社の代表が自社のプログラムマネジメントの実態を語るという趣旨。プログラムとプロジェクトの違いは、プロジェクトは成果物(Output)を出せばよいが、プログラムはBenefitを出すことが求められる、などなど。
1日目 6コマ目
日立インフォメーション・アカデミー 伊熊氏
「全業種向けに対応可能な実践的プロジェクトマネジメント研修」

日立グループがPM研修でどんなことを教えているか、という内容。話が上手で引き込まれた。
2日目
廊下の様子。
会場の案内図。

2日目 基調講演
日立製作所 執行役常務 IT統括本部長 大野氏
「日立グループのガバナンス戦略」

ガバナンス戦略と銘打っているが、内容は日立グループのITインフラ統合プログラムと、そのプログラムマネジメントの苦労話。日立ほどの一大コーポレートはステークホルダーマネジメントが大変なんですよ、という愚痴を聞かされた感があるが、長期プロジェクト・大規模プロジェクトの運営上のコツなどもお話いただき、興味深い内容だった。
2日目 1コマ目
(株)マネジメント&ERPインテグレーション 渡辺氏
「プロジェクトマネジメント適用分野に関する知識は「参照モデル」から得る」


自分の知らない業界の案件のPMを実施する場合に備えて、その業界の業務内容をあらかじめモデル化しておく、といった話。業務をモデル化しておけばコンサル会社に高い金を払って業務分析をする必要はない、みたいな過激な発言も飛び出したが、どうもご自分の過去の成果物の紹介(宣伝?)に終始していたように感じた。資料・説明とも、氏が定義した用語ばかりが飛び交って不明瞭な点が多かった。(その割に、「用語集を作らないプロジェクトは論外だ」というような発言も…。うーん)
2日目 2コマ目
マイクロソフト 相場氏、青柳氏
「IT投資管理のベストプラクティスを実現するポートフォリオ管理」



MS Project Server 2010の宣伝とデモ。
2日目 3コマ目
PMI日本支部 PMO研究会 WG2
「『戦略的PMO実践編』(その1) 発注者サイドのPMOにとって最重要課題とは!」



日米のPMOの役割・権限の比較など、興味深いデータが出てきたセッション。
IT技術者の日米比較をすると、米国では7割がユーザ企業に属しているが、日本では8割がITベンダーに属している、というデータが出てきた(出典:IPA)。
で、米国のPMO(=ユーザ企業のPMO)は組織戦略の実現を目標としており、プロジェクト状況の上位Mgmtへの報告等が主な役割だが、日本のPMO(=受注者)はプロジェクトの監視など、プロジェクトを成功させることが目標になっている、と。
「そもそもPMBOKは、発注者のPMのために作られた知識体系であり、受注者のPMやPMOにはあまりそぐわない」という話も。今の日本の現状で、それを言っちゃ身も蓋もないのでは…^-^;
2日目 4コマ目
PMI日本支部 PMO研究会 WG3
「『戦略的PMO実践編』(その2)事例にみるIT受注者企業PMOの機能・組織のポイント」

日本の大手SIerへのインタビュー結果の紹介。
2日目 5コマ目
スマートビジョン 中西氏
「人生へのプロジェクトマネジメント適用について 2011」



『死ぬまでに達成すべき25の目標』の著者である中西氏が、同書の内容に基づく、人生の目標設定とそのマネジメントの仕方について楽しく語ってくださった。
まとめ
「プログラムマネジメント標準」「ポートフォリオマネジメント標準」の研究も結構進んできているようで、PFMの話が色々聞けたのは収穫だった。
また、PMOの日米比較も興味深かったが、日本企業はITをまるごとアウトソースするのが当たり前になってるので、米国の事例はあまり参考にならないのが正直なところか。
昨今のクラウド化が、ユーザ企業をどちらの方向に向かわせるのかは、まだ未知数だと思う。今のアウトソーシングの風潮をそのまま踏襲して、クラウド化のコンサルティングや運用をこれまで通りSIerに丸投げするのか、それとも自社の情シス部門でクラウド化の企画・遂行・運用などを自衛するようになってSIerは用済みになるのか。前者はすべてをアウトソースする形、後者の場合はハードとソフトだけアウトソースして人手はアウトソースしないという形。後者に進むとすると、我々はユーザ企業への転職を真面目に考えなければならない。

と、フォーラムの内容と少し話がズレてきたところで、今回のレポートはおしまい。
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