2013年11月25日月曜日

PMシンポジウム2013 参戦レポート

ブログに書くまでがイベントです(キリッ
というわけで、2013年11月21日~22日の PMシンポジウム2013 に参加してきたので、簡単に所感などをまとめることとする。
基調講演1
創発的破壊:パラダイムチェンジとイノベーション
一橋大学 米倉誠一郎教授

テーマは「イノベーションのあり方と重要性」について。
ユーモアも交えた素晴らしい講演であった。
日本人は『イノベーション=技術革新』と誤解している人が多いが、それは大いなる勘違いである、と。『イノベーションの父』と呼ばれるシュンペーターの言葉を引用し、イノベーションという言葉の真の意味を説く。
曰く、イノベーションとは「新しい組み合わせ」である。
これ以上の詳細は米倉教授の著書に詳しいし、Web上でも色々と情報が得られるので、本稿では割愛する。
我々SIerも反省しなければなるまい。『SIはオワコン』と言われるようになって数年が過ぎ、各社がイノベーションを生み出そうと躍起になっているものの、各社とも『技術革新』に目を取られるあまり、その意気込みが空回りしてしまっているのではないか。少し視点を変えてみると、意外なところにイノベーションのネタが転がっていたりするかもしれない。

基調講演2
ダイバーシティが経済成長のキーワード
イー・ウーマン社長 佐々木かをり氏

企業や組織体においては、単に多様な人材を集めるだけではダメで、それぞれの個が持つ意見を活かすにはどうすればよいか、という感じのテーマ。
そこで出てきたキーワードが "I statement"。これは「自分はこう思う」「自分の場合はこうだ」と、自分を主語とした語り口のこと。なるほどと思うけど、非常に欧米的で、日本人には不向きだなという印象。和を以って貴しととなす我々日本人は、普段からかなり意識して訓練しないと、こういう物の言い方はできないのではないか。

ところで、講演の中盤、ダイバーシティから急に話が飛んで、ご自身の得意分野である時間管理の話が始まった。正直何が起こったか分からず、若干キョトンとしてしまった。
このパートでは、時間管理についての彼女の持論が展開されたのだが、要約すると下記の3点になる。
  • 手帳に「何時:何」という形式で予定を書くのは、時間管理ではなく約束管理である
  • 時間管理とは何時から何時まで何をするかを書き、「自分を予約する」ことである
  • 仕事とプライベートを一元化することも必要
この3点を「時間管理のコツ」として挙げた後、「自分が開発した『アクションプランナー』という手帳を使うとこのような時間管理ができるのだ」と宣伝したかったようだが、同じことができる手帳はアクションプランナー以外にもたくさんある。例えば、私が長年愛用しているほぼ日手帳とか(むしろ、ほぼ日手帳は1日1ページなので、どちらかというと私好みだ)。
また、「スマホで時間管理するのはNG、手帳を使え」と主張していたが、iPhoneのカレンダーだってアクションプランナーみたいな表示形式だし、スマホで時間管理することの何がダメなのか理解し難い。申し訳ないが、まったく同意できなかった。

1日目午後
1日目午後のセッションの所感を書くと反駁ばかりになりそうなので略。
個人的にはあまり得るものがなかった。眠かったせいもあるかも。

2日目午前
小さなチームで大きな成果を出す働き方
ソニックガーデン社長 倉貫義人氏

SonicGarden倉貫社長による、該社が展開する新しいビジネス「納品のない受託開発」の説明。
講演タイトルからチーム運営の方法論みたいな話を想像していたのだが、いざ内容を聞いてみたらビジネスモデルの話だった。
「納品のない受託開発」とは、成果物と価格を決めて契約を結ぶ一般的な請負契約とは異なり、エンジニアを月額いくらの定額制でユーザー企業に使ってもらうという新しいビジネスモデル。
…新しい? いやいや。
昨年のPMシンポジウム2012で、永和システムマネジメントの市谷氏から、似たような話を聞いた。その時は「価値創造契約」という名前だった。そっちは、システムの著作権をベンダーが保持し、ユーザーに「システム利用料」として月額料金をもらうという形態なので、まったく同じではないが、発想としては非常に似ている。 同じアジャイル開発を生業とする2社が同じようなビジネスモデルを掲げているのは興味深い。倉貫さんのブログにも 「価値創造契約」と「納品のない受託開発」そして二人の男の運命~アジャイルジャパンの見どころ | Social Change! なんてポストがあった。

途中で質疑応答タイムがあり、「twitterでの質問も受け付けます」ということだったので、2点ほど質問させていただいた。
回答:
「ドキュメントを作っておきさえすれば、それだけで 引継ぎは問題ないか?そうじゃないですよね」と前置きがあった上で、「基本、1つの顧客に2名つける(1人がメインで、もう1人はサブ)」「コードレビューを密に行っているので、メイン担当以外もコードを読んでいる」「利用技術を徹底的に標準化することで引継ぎのリスクを軽減している」
回答:
「価格は非公開」「最初の1ヶ月を無料お試し期間としてエンジニアのパフォーマンスを見てもらい、それで納得してもらえたら契約を結ぶ」
(こういう手を取らざるを得ないのだとは思うが、将来を考えると微妙。今後、このビジネスモデルが拡散していった時、『最初の1ヶ月だけ頑張る』輩とか出そう。)

このビジネスモデルは、アジャイル開発を生業とし、かつ取引先をスタートアップ企業に絞っているからこそ成り立っているように感じた。私の勤務先はエンタープライズ相手のインフラ屋なので、そっくりそのまま手法を真似ることは到底できないが、顧客との関係の1つの方向性として参考になる部分はあるかもしれない。時間を作って少し思案を巡らせてみたいところ。

2日目午後
ITプロジェクト成功のための構想企画
アイ・ティ・イノベーション取締役 能登原伸二氏

BABOKのエッセンスを取り入れた、IT企画フェーズのノウハウやプロセスの解説。
資料がかなり事細かに書かれているので、今後コンサルっぽいことをやる時に役立ちそう。内容は私にはうまくまとめられなそうなので省略。。。
ちなみに、一番驚いたのは、『バボック』ではなく『ビーエーボック』だという事実。

さて、今回10.25PDUを稼いだことにより、60PDUを達成した。とりあえず初回のCCRサイクルのノルマは無事クリア。
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