2012年3月18日日曜日

Exchange 2007のグローバル アドレス一覧とオフラインアドレス帳について(1)

グローバル アドレス一覧とは何か
グローバル アドレス一覧は、Exchange組織内の全Exchange Serverからメールアドレスを集めて来たリストである。
Exchange Serverを立てると、'既定のグローバル アドレス一覧'というのが自動的に作られる。こいつには組織内の全メールアドレスが入っている。そのため、一般的には'グローバル アドレス一覧'と言えば、全ユーザのアドレスを参照できるアドレス帳として利用されるケースが多い。
グローバル アドレス一覧は複数作成できる
しかし実は、ひとつのExchange組織内には'既定のグローバル アドレス一覧'以外にも複数のグローバル アドレス一覧を作成することができる。
グローバル アドレス一覧の作成には、Exchange管理シェルのNew-GlobalAddressListコマンドを使う。こいつの-RecipientFilterパラメータを使うと、作成するグローバル アドレス一覧に含むメンバを絞ることができる。
例えば部署単位でグローバルアドレス一覧を作ることにより、他部署のユーザのアドレスをOutlookのアドレス帳に表示させない、といったことが可能だ。
RecipientFilterの書式の詳細はここでは割愛するが、例えば"(<プロパティ名> -eq '<文字列>')"などと書く。フィルタに使えるプロパティの一覧はExchange 2007 SP1 および SP2 の -RecipientFilter パラメータでフィルタ可能なプロパティに載っている。部署名で絞る場合は例えば下記のようになる。
New-GlobalAddressList -Name '情シス' `
 -RecipientFilter "(Department -eq '情報システム部')"

どのグローバル アドレス一覧がクライアントに表示されるのか
さて、グローバル アドレス一覧を複数作ったはよいが、実はOutlookには1つのグローバル アドレス一覧しか表示されない。
じゃあ、どのグローバル アドレス一覧がOutlookに表示されるのか? というと、下記の条件にマッチしたものが表示されることになっている。
  • 条件1 ユーザがそのグローバル アドレス一覧に対するアクセス権を持っている。
  • 条件2 ユーザがそのグローバル アドレス一覧のメンバである。
  • 条件3 条件1,条件2を満たすもののうち、一番大きいもの
see below.(英語)
How to make sure that Outlook clients access the correct global address list if there is more than one global address list
条件1のアクセス権は、Add-ADPermissionコマンドで制御することができる。アクセス権を付けるのはもちろん、明示的に拒否する時もこのコマンドだ(-Denyパラメータを使う)。
例えば、あるユーザやグループが特定のグローバルアドレス一覧にアクセスできないようにするには、下記のようになる。
Get-GlobalAddressList -Identity '\<対象のグローバルアドレス一覧>' `
 | Add-ADPermission -user '<ユーザ名またはグループ名>' `
   -accessrights genericAll -Deny $true
グループを指定する場合も、パラメータは-userである。
これ何に使うの?
ありそうな用途としては、先刻例示した部署単位での分割の他に、
  • 正社員と派遣社員でアドレス帳を分けたい
  • Exchange組織内に複数のドメインがあって、ドメインごとにアドレス帳を分けたい
とかかな?
つづく
本当に書きたかったのは、グローバルアドレス一覧とオフラインアドレス帳の関係についてなのだが、これはまた次回。

0 コメント:

コメントを投稿